マシューとテイラーが付き合っている噂があるのは多分関係ない

音楽が好きなのか、素晴らしい音楽を奏でるその人が好きなのか。
最近はこんなことを考えることが多い。

きっと、久々にthe1975Rex Orange Countyを聴いたからだ。

細かい経緯は省くが、the1975はボーカルのマシュー・ヒーリーがpodcastで日本人をハイテンションで侮辱する発言をだらだらしたこと、Rex Orange Countyは性的暴行を繰り返した疑惑が取り沙汰されたことをきっかけに、しばらく彼らの音楽を聴くのをやめていた。

マシューの発言を聞いた時には無気力な状態に陥った。あらゆる方向に差別発言をし、日本人に向けても下品なジョークを飛ばしている彼の内側を想像して、未知の感情が渦巻いている気がした。日本に住んでいると差別される経験をすることはあまりない。このpodcastに関する記事を読んだ後、結構落ち込んだ。私の防御力が低いのか、攻撃力も強かったのかはわからない。結局のところ、「わからない怖さ」と「攻撃された事実」のみが私に残された。それはthe1975の音楽と距離を置かせるには十分な理由になりえたのだ。

完全に蛇足。日本の深夜ラジオなんかもそうだけど、閉鎖的な空間で収録をするラジオはどうしても悪ノリが加速しやすいのかもしれない。準公人たるセレブリティの面々はSNSの発信同様気を遣って発言をすべきだ。あんな思いはもうしたくない。

Rex Orange Countyの事件は友人を通じて知った。聞いた時は本当にショックを受けた。あんなにきれいなメロディで私を癒していたのに。特に恋愛がらみの甘い曲は、今後聞き方が変わってしまうと思うと本当に悲しかった。

2022年末には告発は取り下げられ、彼の無罪は証明された。彼の無罪を信じられなかったことに対して申し訳ない気持ちもあったが、再び彼の音楽をこころ置きなく聞けることへの喜びの方が大きかった。本当によかった。

再び彼の音楽を聞いた時の喜びは何事にも代えられない。たまっていた感情が溢れて、目頭が熱くなった。

問題はマシューの方だ。今後彼らの音楽と私はどう向き合えば良いのだろう。

時間と共に彼らの音楽への嫌悪感は薄れ、普通に楽しめるようになった。やっぱりいい曲だよ。でも、心のどこかでしこりが残る。

音楽系youtuberが「音楽」と「製作者の人格」は分けて考えるべきかという話をしていた。作品は素晴らしいし、いつ聞いても感動できる。でも、その製作者のことを考えると、感動が少し曇ってしまう。やはり作品と作者は分けるべきなのだろうか。

現時点で私は、やっぱり作品と作者の人格は分けることはできないと思う。

やっぱり音楽は作った人やパフォーマンスする人のかけた思いやそれまでの人生が滲んでくるものだと思うし、だから共感したり、感動できたりするんだと思う。

the1975の音楽は好きであり続けるけど、人格には少し疑う気持ちを向けてしまう。これからもそんなねじれた日々が続くだろう。

決してテイラースウィフトと付き合っていることに嫉妬しているわけではない。決して。